ペインティング ギフト日記  
PAINTING GIFT DIYARY

2021.05.14

始まりの日を贈る

「やっとだよ、ようやく来週オープンするんだ」

電話で友人の嬉しそうな声を聞いた時、自分もついテンションが上がって

「おめでとう!本当に夢が叶うんだな、いや、すごいな…!」と叫んだのを覚えている。

専門学校のとき、たまたま苗字が同じで席が近かったことがきっかけだった。

初めはただそれだけで。

でもなんとなく一緒に授業を受けて、お昼ご飯を食べて、帰りに寂れたゲーセンに寄ったり、ファミレスでダラダラしたり…

美容師になりたいって自分で選んだ道なのに、授業は死ぬほど嫌いで、二人でふざけては先生に怒られて。

のくせにクラブに遊びに行ってベロベロに酔ったら「絶対に開業して、すげー稼いで、お前よりすごい美容師になるからよ、見とけよ!」って大声で叫びあってた。

お互いに張り合って、学校の成績は見合って、お前だけには負けねえって何だかんだ毎日休まず学校に通い続ける。

そんな10年以上も前の思い出が鮮明に蘇ってくる。

あのときもう少し真面目に勉強してたら、あいつみたいにセンスがあれば、自分だって美容師を続けられていたのだろうか。

学校を卒業して、なんとか就職できた美容室ではアシスタントとして先輩にこき使われ、ひたすら罵倒された。

自分が悪かったってことは分かってる、未熟だったことも分かってた、けどプライドが邪魔をして、なんだ美容師ってつまんねー仕事だな、って拗ねて1年くらいで辞めてしまった。

その夜、一応あいつに報告しないとって思って「俺、辞めちゃったよ、美容室。どうしようもねえよ。明日から近所のスーパーでレジ打ちでもしようかな…」って電話をしたら

「ハハ、まじか、いや、つれーよ、身も心もズタボロ。俺も辞めちゃうかも。」って一言。

でもその後も辞めることなんかなくて、あいつは寝る間も惜しんでカットの練習し続けた。

本当に尊敬する。

その努力がついに店として形になることは、もちろん自分ごとのように嬉しい。

その後、レジ打ちではなくハローワークに紹介してもらった営業の仕事をこなし、なんとなく普通の人生を歩んできた自分。

学生のときからの夢を追いかけ続け、ひたすらストイックに働いて、とうとうその夢を叶える日が近づいてきているあいつ。

別にどっちが良いとか、羨ましいとかはない。

ただ、せっかく友人の夢が叶うのなら全力で祝いたいし、特別なものを用意したい。

あいつにとって、店は特別で、その店はこれからずっと存在し続けるだろうけど…

「初めて開店する日」は1日しかない。

そう考えたら、その日の店の様子をしっかり残しておきたいと思って。

花を渡したいから、と言い訳してオープン直前にお邪魔して、何気なく写真をパシャリ。

それを絵画にして後日改めてお祝いとして、渡しにいった。

「絵なんて渡されたことないからさ、いや、びっくりだよ。すげー嬉しい。うん、大事にする、ありがと。」

そうやって笑う姿を見たら、喜んでもらえるものを渡せて良かったな…って安心して、俺も頑張ろうって気合が入る。

開業おめでとう、これからもお互い励まし合える存在として、よろしくな。

 

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